IHI播磨病院
皆さんこんにちは。
島根医科大学第1期卒業生の西川梅雄です。平成25(2013)年4月1日付でIHI播磨病院院長を拝命しました。当院は兵庫県相生市にあります。相生市は西播磨地区の中心的な存在で、人口約3万人ですが隣接するたつの市、赤穂市など西播磨全体では20万人以上あり、島根県松江市ぐらいの規模になります。新幹線の停車駅や高速道路のインターも近く、東京、福岡などが日帰り圏内にあり、学会や研究会に行くのにも便利な環境です。
私は昭和57(1982)年卒業後整形外科学教室へ入局、大学や教室の関連病院(島根医大附属病院、京都府丹後中央病院、埼玉県狭山病院、兵庫県IHI播磨病院、大阪府東大阪市若草第一病院)で医長や部長、センター長、副院長を経験させて頂きました。
当時は島根県外に5か所の関連病院がありました。そのうち4か所を少なくとも2年以上それぞれ経験しました。日本は広く、いろいろな患者さんがいるということを実感しました。整形外科以外は他大学出身者ばかりでしたので、コミュニケーション力はかなり身についたように思います。
IHI播磨病院には平成19(2007)年3回目の着任でした。引っ越しばかり多かったです。転々として馬齢を重ねています。おそらく現役の整形外科医としてはここで終わるのだろうと思います。
ところで当院は大正6(1917)年7月に㈱播磨造船所付属籔谷(やぶたに)医院として開設されました。大正、昭和、平成、そして令和と4つの時代に渡って医療を提供してきました。平成29(2017)年に開設百周年記念行事を行いました(写真 ①参照)。
現在私(大阪府堺市出身)と副院長小泉龍一先生(兵庫県神戸市出身S63年卒)、整形外科・リハ科部長深澤郁雄先生(兵庫県神戸市出身H1年卒)そして整形外科・リハ科部長古川誠治先生(広島県府中市出身H3年卒)の4名が常勤で頑張っています。
IHI播磨病院は老朽化した病棟、外来棟共に建て替え、平成22(2010)年1月には全ての建物が一新されました。現在180床、内訳は130床が急性期、地域包括ケア病床が22床、回復期リハビリテーション病床28床であり、地域医療完結型の病院です。手術室は3室(クリーンルーム含む)あり整形外科、外科、眼科、泌尿器科などの手術を年間約600件行っています。他に透析センター(26床)もあります。
平成26(2014)年1月には訪問看護ステーション「プラム」を開設しました。診療科目としては整形外科の他に内科、外科、皮膚科、眼科、耳鼻科、麻酔科であり、神戸大、産業医大、兵庫医大などの出身者が多いです。特定の大学に偏ってないのが良いところです。詳しくは当院ホームページをご覧ください。
平成20(2008)年から相生市で例年5月に行われるペーロン競漕に当院有志で結成したチーム「アーレー播磨病院」が参加しています。令和元(2019)年相生ペーロン大会では、オープンレースの部36チーム中6位という好成績でした。1レースは4チーム=4艇が争うのですが、最終レース4艇中1着(=1等賞)になりました。これはチーム創設以来初めてのことで大変嬉しかったです(写真②参照)。「一等賞」の幟(のぼり)を病院正面玄関ホールにしばらく掲げていました。
大学の先生方はあまり興味ないかもしれませんが、私は平成30(2018)年1月に相生市医師会会長を拝命しました。医師会活動の一環で、相生市健康大学講座や市民健康フォーラムを主催しています。内尾祐司教授や馬庭壮吉教授には演者として毎年のようにお世話になっています。
また兵庫県医師会の活動では年1回「研修医セミナー」を主催しています。令和2(2020)年1月25日(土)には「ドクターG」として有名な福井大学医学部救急科総合診療部教授 林寛之(はやしひろゆき)先生を講師としてお招きし、神戸市で開催されました。神戸大、兵庫医大、大阪大、岡山大などの兵庫県下にある研修病院の研修医65名が参加しています。
林先生は某N〇Kテレビで何度も拝見していた印象では、「真面目なだけで退屈な」先生と思っていたら、その対極にいるようなお人柄の先生でした(写真③参照)。もちろんご講演内容も分かりやすく、面白かったです。
ちなみに他の演者としては神戸大感染治療学の岩田健太郎教授(島根医大H9年卒)、医者で作家の久坂部羊先生、ドクターヘリで有名な八戸市民病院院長 今明秀先生、新型コロナウイルス感染症で有名な大阪大学教授 忽那賢志先生などをお呼びしました。今後も研修医の皆さんが興味のある先生に講演をお願いしていくつもりです。
最後に新型コロナウイルス(以下新コロ)感染症について述べます。令和元(2019)年に日本に上陸して現在第8波が何となく収まりかけています。当院は相生市医師会との連携のもと、ワクチン接種を早急に行い、令和4(2022)年末には90%以上の高齢者住民に4回以上接種を終えています。相生市内の医療従事者には5回目(2価ワクチン)もうち終わりました。令和4(2022)年8月からは当院も数床のコロナ専用病床を申請して軽症者の入院が可能になっています。変異株は弱毒化?して今年5月連休明けから5類に引き下げられるようです。ただし季節性インフルエンザ以上の感染力や、特効薬がないことを考慮すると、医療関係者としては今後もうがい、手洗い、手指消毒、マスク着用、黙食、三密(密閉、密集、密接)を避けるなどの感染予防対策を、これまで通り油断せず続けるべきだと思います。
医師を仕事にする限り、新コロだけでなく未知の感染症などの危険から逃げることはできません。むしろ危険にさらされるのは当たり前なので、日々覚悟を新たにして一生修行に励んで下さい。
最後になりますが先生方の今後のご健康、ご多幸と益々のご発展を衷心より祈念致します。
合掌。
―令和5(2023)年2月吉日―